「病院より介護施設の方が楽って聞くけど、デメリットは何?」
病院勤務でヘトヘトになり、介護施設への転職を検討したことはありませんか?
「施設ならではの難しさもあるよ」なんて聞くと、具体的に知りたくなりますよね。
給料は?業務内容は?介護士さんとの仕事って?
私もそう考えて、調べに調べて今の職場への転職を決めました。
介護施設への転職で失敗しないために、
事前にメリット・デメリットを把握したいですね。
長年の病院勤務から有料老人ホームに転職して3年。
この知見を生かして本記事を作成しました。
- 看護師が施設で働くメリットとデメリット
- 介護施設で働く心がまえ
- 介護士さんとの協働について
メリット・デメリットの概要は以下の通り。
記事本文で具体的に述べていきますね。
転職活動中に調べたこと、現職場での経験、
看護師仲間の口コミで得られた情報をまとめました。
ぜひ本文をご覧下さいね!
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施設看護師の仕事内容とやりがいについて
施設看護師のメリット
病院に比べ業務量がゆるやか
施設看護の現場は、病院のように分刻みのスケジュールではありません。
利用者・入居者が心地よく生活することを目的とした組織です。
慌ただしく業務を行うことは稀です。
病院のように冷や汗をかくような場面はごくわずか。
体力的負担が軽い
入浴介助などの保清や移乗・移動などの体力を使う業務はほぼ介護士さんが担う施設が多いです。
よって看護師の体力的負担は、病院より軽いと言えます。
緊迫した場面が少ない
施設は病院のように治療や延命を第一義にはしてません。
よって緊迫した場面は少ないです。
各種造影やCT・MRIなどの大きい検査、CV留置などの大きな処置もありません。
当然ですが緊急手術・緊急入院などはなく、業務内容はゆるやかです。
ルーティン業務が中心で残業が少ない
上記の通り、ルーティン業務が中心なので、スケジュール通りに仕事が終わり、残業は少なめです。
私の残業は2~3時間/月ぐらい。
前残業なし 、
サービス残業なしです!
土日勤務や夜勤がない介護施設もある
施設によっては看護師の土日勤務や夜勤がない職場があります。
自分の価値観やライフスタイルに合った働き方を選択できます。
施設看護師のデメリット
看護技術を使う機会が少ない
施設では大きい検査や処置がないため、看護技術を使う機会は限られています。
生活を支えるための医療を提供します。
「技術を磨きたい」「治療を学びたい」
ということを第一に考えるならば、不向きな現場です。
看護師が医療的判断を下す場面が多い(医師が常駐していない)
施設は医師が不在の場面が多く、看護師が医療的な状況判断を下す場面がたびたびあります。
施設によって医師の診察頻度は様々です。
診察のパターン
・併設のクリニックがある
・同じ敷地内の病院の医師が必要時診察する
・外部の医師が週1回のみ往診に来る など
転倒や体調不良の際、
様子を見るのか・受診に行くのか、救急車を呼ぶのか
等を看護師が判断する施設もあります。
ご家族への経過報告を看護師が担うこともあり、
これらの点では責任は大きいです。
看護師が少なく人間関係が固定的
病院と違い、施設で一番スタッフ数が多いのは介護士さんです。
看護師は少人数であるため、人間関係が固定的です。
慣れるまでは息苦しいかも知れません。
これまで看護師がたくさんいる職場
だった人にとっては違和感がありますね。
私もそうでしたよ。
業務に慣れるとともに、
人付き合いの程よい距離感も身について来ます。
病院に比べて収入が少ない
施設は病院よりゆったり働ける分、給料がやや低めの傾向にあります。
ただし条件によっては病院と大差ない収入を得ることができます。
土日勤務をするか・夜勤を何回するか、
などの業務量でも給料は左右されますよ。
福利厚生が充実しており住宅手当などを受けられるか?
収入に関わる条件は事前に詳細までチェックを!
私の収入は病院時代よりは少し下がりましたが、大差ないです。
前残業なし、サービス残業なし、有給も消化させてもらえる。
加えて心身ともに病院よりゆるやかに業務ができる。
今の方がコスパがいいです!
参考資料
老健(介護老人保健施設)は介護士さんとともに身体介護を担う現場が多く、給料が高めに設定されています。
有料老人ホームは、経営母体や業務内容によってかなり給料の幅があります。
職場探しの際は、業務内容と給料とのバランスを見極めて下さいね。
介護施設看護師の収入(常勤) | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 5,071,824円 | 422,652円 |
介護老人保健施設 | 5,387,544円 | 448,962円 |
有料老人ホーム | 5,135,664円 | 427,972円 |
グループホーム | 4,771,332円 | 397,611円 |
デイサービス | 4,251,828円 | 354,319円 |
※看護師全体 (病院・施設など、平均年齢41歳・非常勤含む) | 4,986,200円 | 344,000円 |
参照:厚生労働省 令和2年度介護事業経営実態調査結果
出典:厚生労働省令和3年度賃金構造基本統計調査
オンコール制度の施設もある
夜勤や土日勤務がない施設の場合、オンコール制度を敷いている施設もあります。
休日・夜間の状態変化について、介護士さんから指示確認の電話が入るなどの業務です。
ライフスタイルや収入面を考慮して就労条件を見定めましょう。
介護士さんとの関係性
特に介護士さんとの協働が初めての看護師は、
関係性が分からず悩むことが多いようです。
病院であれば看護師が他の職種に指示を出すことは限られています。
看護師の人員数が多いため「業務のやりやすさ」が担保されているんです。
施設では介護士さんから指示を仰がれること、介護業務と看護業務の優先順位をつけるべき場面などがあります。
介護施設ならではの環境に慣れるまでは関係性を築きにくく、
悩みにつながるようです。
その場その場で必要な対応をしていけば、
徐々に信頼関係は築けますよ!
施設看護師1日のスケジュール
具体的なスケジュールです。
あなたにとってのメリット・デメリットを
把握して下さいね!
慣れてくると違和感なしです。
このスケジュールの中でこそ
できる看護を提供したくなります!
日勤帯のスケジュール
施設看護師の業務【日勤】 | |
---|---|
08:45 | 始業、夜勤からの申し送り(看護師間で) |
09:00 | 各ユニットのミーティング(介護士・看護師) |
09:15 | 体調不良者のVS測定や観察 |
入浴の可否判断 | |
必要であれば医師に指示を仰ぐ | |
10:00 | 医療処置(注入や創処置、点滴、便処置など) |
10:30 | カルテ入力や内服薬の準備など |
11:00 | 食事の可否判断 |
摂食状態の観察、食事介助 | |
12:00 | 休憩 |
13:00 | 医療処置や体調不良者の観察 |
14:00 | カルテ入力や内服薬準備 |
事務仕事(病院受診や入退院、往診の調整) | |
往診がある日は対応 | |
健康管理業務 | |
16:00 | 注入、下剤の準備 |
16:45 | 夜勤への申し送り、残務 |
17:15 | 終業 |
続いて夜勤帯。
病院同様、少ない人数で乗り越えます。
当直医制度はないので、看護師が判断する場面が多いです。
判断に迷う場合は、
医師に電話連絡をする施設が大半なようです。
夜勤帯のスケジュール
施設看護師の業務【夜勤】 | |
---|---|
16:45 | 日勤者からの申し送り |
17:15 | 摂食状態の観察、食事介助 |
眠剤、下剤の確認 | |
18:00 | 体調不良者の観察 |
19:00 | 注入、眠前処置など |
20:00 | 休憩 |
21:00 | 内服薬など翌日の準備 |
22:00 | ラウンド |
係の仕事など日中に出来ない業務 | |
24:00 | 交替で休憩へ |
04:00 | ラウンド |
05:00 | 注入 |
07:00 | 食事準備、摂食状態観察、食事介助 |
08:00 | ラウンド |
08:45 | 日勤者へ申し送り |
介護施設で働く心がまえ
「施設は生活の場」と理解する
施設は生活を支える場であって、医療を追求する場ではありません。
病院とは違い、医療的な「正解」を押し進めません。
利用者さん・入居者さんの価値観や施設の方針、
介護士さんの業務、様々な要素が関連しています。
その中で成立する医療を提供します。
介護施設で働く心がまえ
・病院での常識を押し付けない(医療的な「正解」を追求しない)。
・他職種スタッフや施設の方針を真っ向から否定しない。
・医療的観点から考えて、利用者さん・入居者さんにデメリットが大きい業務が行われている場合
⇨それぞれの言い分や関係性も含めて話し合いましょう。
病院勤務でも、転職して来たナースから
「ここはこんな古いやり方」と否定されると
イヤな気分になりますよね?
院内異動してきたナースから
「この病棟のスタッフは勉強が足りない」
と上から発言をされて傷つきましたよね?
自分もこんなふうにしないこと。
その職場がその形で業務を行っている理由があるハズ。
業務改善に取り組みたいなら、環境や業務に慣れ、
信頼関係を築けてから。
頭ごなしの否定は避けましょうね。
介護士さんとの協働
介護施設で働く看護師にとって、介護士さんとの協働は大きなテーマです。
お互いの業務が重複する部分をどのように実施するか。決定する場面では双方の関係性がキーになることも。
良い関係性を築くには!
業務に慣れ、的確に判断し、意見交換することが大事です。
病院といっしょ。
看護師の世界といっしょです。
新しい職場で協働するには、まずは自分が信頼してもらうこと。
入居者さんに親身に接し、私達の意見に耳を傾ける看護師さん。
介護について医療的観点から意見が欲しいとき、
ついつい相談したくなります。
お互いの観点から意見交換し、
入居者さんに良いサービスを提供しましょう!
・医療的処置を実施するタイミングが介護業務と重複しないよう調整
・食事や入浴・内服、リハビリの可否判断を伝える
・排便コントロール
・睡眠コントロール
・in-outコントロール
・体調不良時の指示
・健康状態の共有
・保清や食事、移乗・移動、ポジショニング等で医療的視点から注意してほしい面を指示する
・排泄介助や保清、食事介助、移動・移乗を介護士さん・看護師ともども実施する施設も。
老健では看護師も担うことが多い。
介護施設の主な担い手は介護士さん
利用者さん・入居者さんにとって「お世話をしてくれる人」の中心は介護士さんです。
介護を提供することを主たる目的とした施設である以上、介護業務を優先的に進めることは多々あります。
私は業務の担い手の主役は介護士さんだと捉えています。
もちろん利用者さん・入居者さんの体調不良などの場面では
看護・医療的な判断を優先します。
介護施設のメリット・デメリットを理解し心がまえを持つ
メリットが上回ると判断してから職場を決める
これまで説明したメリット・デメリットを踏まえて、自身にとってメリットが上回りますか?
しっかり判断して転職や派遣・アルバイトを決めてほしいです。
どんな職場でも価値観に合う部分・合わない部分があります。
そのすり合わせをしっかり行って下さいね。
私の場合は、
以下の理由でメリットがデメリットを上回ると判断しました。
ぜひあなたの条件に合う施設を探して、
価値観・ライフスタイルに合った仕事を見つけてほしいです。
介護施設ではたらく心構え
介護施設は生活の場です。
ゆえに主たるサービスは、『介護』『生活を支える医療』です。
その中でも介護が占める割合が高いので、介護士さんとの協働を円滑に進める必要があります。
ただし、労働環境が良くない施設や介護・医療の質に
問題がある施設があるのも事実です。
心がまえを持ってしても、改善の余地がない職場もあります。
職場選びに失敗しないため、
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