介護施設って色々あるけどよく分からないの。
どうやって職場を選ぶのが正解?
代表的な介護施設形態である「特養」「老健」「有料老人ホーム」
まとめて解説していきますね!
それぞれの施設形態を理解した上で、『「特養〇〇」「老健△△」「☆☆ホーム」はどんな条件か』としっかり具体的な条件を調べましょう。
転職成功のコツですよ!
私は約4年間、有料老人ホームで楽しくお仕事しています。
自分の価値観やライフスタイルに合うか?を基準に選んだ職場です♬
各施設形態での看護経験が豊富な友人知人から意見をもらい、この記事を作成しました。もちろん文献検索もしっかりと。
いい職場に出会えるお手伝いができれば幸いです。
twitterで「施設看護師の夜間体制」のアンケートを実施しました!
この記事内でも結果報告をまとめています♪
- 看護師の仕事として「特養」「老建」「有料老人ホーム」はどう違うか
- 「特養」「老健」「有料老人ホーム」施設としての特徴
- 働きやすい職場の基準
- 転職先を選ぶポイント
いい職場選びのコツ:正確な情報収集!
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仕事内容の共通点と違い|施設看護師
特養・老健・有料老人ホームでの看護師の仕事は共通点の方が多く、違いは少ないです。
病院だと診療科によって扱う疾患が違いますが、介護施設ではそのような区別はないからです。
施設形態による違いもあれば、各施設固有の違いもあります。
ざっくりとでも理解しておくと職場選びの基準にできますよ
共通している仕事
介護施設での共通した看護師の仕事は「健康管理」「医療処置」「急変対応」が主です。
他にレクレーション時の見守りや食事介助・保清・排泄介助などの介護業務も少しですが担います。
医療サービスを提供する病院とは違い、介護施設は「介護サービス」「生活サポート」を提供する場です。
そのため、看護師の仕事は「介護と生活を支えるための看護」が中心となります。
介護施設での看護業務 |
---|
健康管理 |
入浴、食事等の可否判断 |
内服管理 |
医療処置:経管栄養、点滴、インスリン注射、酸素投与、浣腸などの排泄処置、創傷処置など |
急変時対応:医療処置、医師・家族へ連絡、他職種への指示 |
多職種連携の中心(橋渡し役) |
支援方法の検討:(例)入浴方法を介護士さんと協働し決定 |
緊急受診の判断や付添い※施設によっては介護士が付き添い |
特養
特養での看護師の仕事は、「看護師が医療的判断をする場面」が多いのが特徴です。
常勤の医師はおらず、ほとんどの特養では外部からの往診医が2週間に1回の頻度で診察するのみだからです。
※歯科や皮膚科の往診がある施設も
他形態の施設に比べ看護師の配置数が少なく、「看護師ひとりで医療的判断をする場面」が多いです。
特養では医療的依存度が高い入居者は少ないため、頻回な吸引や点滴は基本的にはありません。
老健
老健での看護師の仕事は「病院に近い看護ができる」と言われています。
医師が常駐し(ほとんどの施設で医師が施設長を兼ねている)、PTや栄養師、薬剤師など他の医療者も配置されています。
また看護師の配置数も他形態の施設よりは多いため、「看護師ひとりで医療的判断をする場面」が少なく、同僚と相談しながらの業務を行うことが多いです。
医療者が多い分、介護士さんの配置が少なめで、看護師が日常生活援助を行う場面もあります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは民間施設であり、その施設ごとの違いが大きいです。
顕著な違いは「医師の診察が往診のみ(頻度も施設によって違う)」か「併設のクリニックがあり、随時診察が可能」というものです。
診察体制の違いにより、「看護師が医療的判断をする場面」の頻度が左右されます。
看護師や多職種の配置数も施設ごとにまちまちです。
ほとんどの医療行為を自施設内で行う施設もあれば、他事業所と契約し、診察や処置を委ねる施設もあります。
施設看護師の仕事内容とやりがいを解説 ※クリックでサイト内別記事にリンク
各施設の特徴と違い
介護施設では、施設形態ごとに入居条件や提供するサービスの違いがあります。
施設形態ごとの基準は厚生労働省によって定められています。
施設で働くイメージをつけたり、就職面接対策のためにも、各施設の特徴を知っておくといいですね。
続いて費用面での比較です
介護施設の種類 | 入居費用 | 月額費用 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 0円 | 5〜15万円 |
介護老人保健施設 | 0円 | 9万〜13万円 |
有料老人ホーム(介護付き)※ | 0〜数百万円 | 15万円〜30万円 |
有料老人ホーム(住宅型)※ | 0〜数百万円 | 15万円〜30万円 |
サービス付き高齢者住宅※ | 0〜数百万円 | 10万円〜30万円 |
グループホーム | 0〜数十万円 | 14万円 |
ケアハウス | 数十〜数百万円 | 10〜30万円 |
特養|特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、主に要介護3以上の高齢者が長期的に生活する施設です。
特養を運営するのは社会福祉法人や市町村などで「公的施設」となります。
特養の概要
- 公的施設のため、老人ホームの中では比較的安価に利用できる
※公的保険の限度額制度が適用される - 費用負担が軽いため、常に「入居待ち」が多い※30万人の「待機者」がいるとされている
- 看取りの対応が可能なため、終の棲家となりうる
特養の入居者さん
全国で約29万人の方が入居待ちとなっており、要介護度が高い方が入居しやすいです。
医療的依存度が低い方が対象。
入居までは自宅、老健、療養病棟などで過ごされています。
「医療的依存度が低い」って?
頻回な吸引や持続点滴などが必要な場合は入院をすすめることとなります。
夜間は看護師がいないからね。
定期打ちのインスリンや経管栄養などのルーティンな処置は行います。
特養の費用
特養は公的施設であるため、入居者の費用負担が軽くてすみます。
加えて終身利用ができるため、入居の順番待ちが多くなります。
特養の特徴と看護師の仕事をくわしく解説 ※サイト内の別記事へリンクします
老健|介護老人保健施設
どんな入居者さん?目的は?
この条件を見ると、比較的お元気な方が多そうですが、実際は違うようです。
実際に老健に入居している人
- 要介護3以上の人が7割程度
- 退院後、自宅での生活を目指してリハビリ
- 入院は必要ではないが医療的ケアが必要になり、再び自宅での生活を目標にしている
- 退院後、すぐに特養に転居したい(=機能回復の見込みが薄い)が順番待ちをしている
在宅復帰を目的とした施設ですが、近年は看取りを行う施設も増えています。
特養に転居する前に亡くなることも。
介護施設の中では病院に近い
老健の特徴として、医師、リハビリスタッフ(PT:理学療法士、OT:作業療法士、ST:言語聴覚士)が配置されていることが挙げられます。
多職種による医療・リハビリ・介護のサービス提供がスムーズに行われるように、看護師は調整役の業務も行います。
他の介護施設よりも医療者の配置が多く、医療的判断をする際は心強いですね。
老健の役割の変化
近年の老健は、高齢者に多い肺炎や尿路感染症などはできるだけ自施設で治療しようという流れです。
またターミナルケア・看取りを積極的に行っていく施設が増えてきています。
老健の医療機能や看取り機能が充実するのにともなって、老健で働く看護師の役割も大きくなっています。
老健の入居期間(実情は1年弱)
在宅復帰が目標である老健の入居期間は、原則として3〜6カ月とされています。
(3カ月ごとに在宅復帰が可能かどうかの評価が行われる)
ただし、「6カ月を超えたらすぐに退所しなくてはならない」わけではありません。
厚生労働省の2013年のデータによると、老健の入居期間は平均で311日でした(特養は1405日)。
「終のすみか」となり得る特養や有料老人ホームに比べると、短期間で入居者が入れ替わるのも特徴です。
老健の費用負担(利用者)
老健は公的施設であるため、公的保険の限度額制度が適用されます。
入居する居室のタイプ(個室か多床室か)や利用するサービスで負担額が違います。
特養と並んで『年金で利用できる』施設です。
老健の特徴と看護師の仕事をくわしく解説 ※サイト内別記事にリンクします
有料老人ホーム
有料老人ホームとは、高齢者の心身の健康を保ち生活を安定させることを目的とした施設です。
食事・介護・家事・健康管理のいずれかのサービスを1つ以上提供している住まいを指します。
介護付きや住宅型など複数の種類があり、入居者の状況やニーズに応じて選択可能です。
種類ごとにサービス内容や料金も様々です。
どんな入居者さん?目的は?
有料老人ホームの種類によって入居条件が違います。
看護師が雇用される場としては下記の③か④が主です。
- 健康型有料老人ホーム:自立〜要支援者の見守りや家事サポート
- 住宅型有料老人ホーム:要支援〜要介護者が居住する(介護が必要な場合は外部業者と個々に契約)
- 介護付き有料老人ホーム:要介護者に介護と生活サポート等を提供する
- 混合型有料老人ホーム:①〜③まで全てを担う大型施設もあり。
※大手法人系列のいわゆる「高級老人ホーム」と言われる施設に多い形態
サービス内容が多岐にわたる
有料老人ホームは民間が運営しており、施設ごとの独自サービス(介護保険が適用されないもの)があります。
介護保険外のサービス(例) |
---|
本人や家族が希望する病院への付き添い |
人間ドック(検査機関が訪問タイプ・検査機関への送迎など) |
衣服やベッドリネンのクリーニング |
家族や面会者も利用できる食堂 |
面会者と入居者で会食できる部屋 |
健康相談(例:受診する病院や診療科はどこがいい?など) |
役所代行サービス |
買い物代行 |
訪問スーパー |
訪問マッサージ |
最寄り駅や病院、商業施設への定期運行バス etc. |
入居者の費用負担
有料老人ホームは民間施設です。
施設ごとの費用設定が幅広く設定されており、設備やサービス内容に独自性があります。
- 設備は特養や老健と大差ないが、サービスが充実
- 温泉のような立派な大浴場、大きなホールや豪華なロビーなど、設備が充実
- 設備、介護医療サービスともに充実
入居者さんに取っては、自分の価値観に合ったホームと出会えるかがとっても大事ですね。
費用負担が低く抑えられる場合?
「高級老人ホーム」もありますが、費用負担を抑えられる有料老人ホームもあります。
費用負担が軽いならば、特養や老健でもいいのでは?と思いませんか?
- 老健は概ね3ヶ月〜6ヶ月を目処に在宅復帰を目指す
- 特養は要介護3以上で看取りまで。ただし入居の順番待ちがすごく長い
では、在宅復帰ができず、特養へも入れない人はどこで過ごせばいいのでしょう?
有料老人ホームなら、自立や要支援の人もすぐに入居できる施設があるんです。
特養や老健よりはやや費用負担が高くなることもありますが、「自宅以外で生活したい」人には適していますね。
有料老人ホームの特徴と看護師の仕事をくわしく解説 ※サイト内別記事にリンクします
給与の違い|施設看護師
各施設形態ごとの看護師の給料は…「差があるようでない」という感じです。
施設看護師の基本給は大学病院や公立病院よりは低い傾向です。
しかし年収で比較すると大きい病院と遜色ないような施設もあります。
その違いはズバリ「夜勤をするか」「雇用条件がホワイトか(もしくはブラックか)」というものです。
とはいえ、給与についても施設形態ごとの傾向もあるので説明します。
介護施設看護師の収入(常勤) | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 5,071,824円 | 422,652円 |
介護老人保健施設 | 5,387,544円 | 448,962円 |
有料老人ホーム | 5,135,664円 | 427,972円 |
グループホーム | 4,771,332円 | 397,611円 |
デイサービス | 4,251,828円 | 354,319円 |
※看護師全体 (病院・施設など、平均年齢41歳・非常勤含む) | 4,986,200円 | 344,000円 |
特養
特養では看護師の夜勤がない施設が多いため、他の施設形態より給与はやや低めになります。
夜勤をしない選択であれば、悪い条件じゃないですね。
ただし夜間オンコール体制のところが多いので、しっかり条件の確認をしてくださいね。
老健
老健ではほとんどの施設で看護師の夜勤があり、他の施設形態より給与はやや高めです。
また他の施設より介護業務を担う(=体力的負担あり)機会が多いことも関係しています。
介護業務を担う割合など、業務内容とのバランスに納得できる職場を選んで下さいね。
有料老人ホーム
有料老人ホームはどのような事業者が運営しているか、また夜勤の有無で給与が大きく左右されます。
大手法人系列が運営し、夜勤がある施設だと給与は高めに設定されていることが多いです。
給料の判断基準
給料だけを確認して職場選びをすることがあまりおすすめできません。
「どの施設形態だったら高いか?」「給料高いからここに決めた!」という判断よりは、「業務内容と見合っているか」で判断することをおすすめします。
職場選びの条件として必ず給与・休日は確認しますよね?
その内訳をしっかり理解してますか?
「こんなハズじゃなかった…」とならないように、給与・休日の内訳を確認しましょうね。
施設看護師の給与・休日に関する記事です ※クリックするとサイト内別記事にリンクします
休日の違い|看護師施設
施設看護師の休日数には施設形態ごとの特徴があります。
ざっくり説明すると「施設規模が大きい」=「看護師の数が多い」=「年間休日も多い」という感じです。
ただし各施設固有の傾向もあるので、転職先をさがす場合はあくまで「その施設はどうか」の情報を得てくださいね。
残念ながら施設形態ごとの休日の傾向を示すデータが見つかりませんでした
特養
特養は規模が小さく看護師の配置数が少なめの施設が多いです。
そのため、有給休暇や連休を取得するには少しハードルが高いかも知れません。
とは言え、施設ごとに状況は千差万別です。
転職を考える場合はしっかり情報を得て、納得できる職場を選んで下さいね。
老健
老健は看護師の配置数がやや多めであるため、有給休暇や連休の取得は施設の中ではスムーズな傾向にあります。
ただし、施設ごとに状況が違うため(派遣やパート職員が多いなど)、その職場の実際の情報を確認することをおすすめします。
面接で「看護師の連休は何日まで可能ですか?」と確認してみるのもいいですね。
有料老人ホーム
有料老人ホームの看護師の休日は、施設ごとにかなり差があります。
有料老人ホームには様々な事業形態があり、事業形態に応じて看護師の配置数が異なるからです。
看護師の人数が多ければ、有給休暇や連休を取得しやすい傾向にあります。
また、大手法人系列の施設であれば、雇用条件・福利厚生が整備されていることが多いです。
と言っても、やはりその施設固有のルールがあるので、しっかり情報を確認してくださいね。
休日数の判断基準
職場選びの条件として必ず給与・休日は確認しますよね?
その内訳をしっかり理解してますか?
「こんなハズじゃなかった…」とならないように、給与・休日の内訳を確認しましょうね。
施設看護師の給与・休日に関する記事です ※クリックするとサイト内別記事にリンクします
看護師など各職種の配置数の違い
介護施設では各施設形態ごとに人員の配置基準が設けられています。
厚労省により定められた基準を満たす必要があるからです。
特養
特養の入居者さんは要介護3以上で医療的依存度※が低い人が対象です。
そのため、介護士さんは多め、看護師は少なめの配置数に設定されています。
※医療的依存度:経管栄養は可、持続的な点滴や頻回な吸引が必要となると入院につなげる
規模が小さい施設だと、常勤看護師は1人だけ(+パート社員や派遣)って職場もあるようです。
特養の利用者数 | 看護師配置規定 |
---|---|
利用者数:〜30人 | 看護師:1人以上 |
利用者数:31~50人 | 看護師:2人以上 |
利用者数:51~130人 | 看護師:3人以上 |
実際の現場では、雇い入れ数が上記の人数という状態ではなく、「その日の看護師の配置数」であることが多いようです。
例:利用者30人の施設であれば、社員2人+パート1名でシフト勤務
医師の常駐義務はなく、月2回(+α)の往診=かかりつけ医という体制です。
特養の職種 | 配置基準 |
---|---|
施設長 | 原則専従で常勤1名。社会福祉主事、福祉経験2年以上などが条件 |
医師(往診医) | 入居者に対して健康管理や療養上の指導を行うために必要な数 |
介護職員又は看護職師 | 原則専従で、入居者3名に対して常勤換算1名以上 |
生活相談員 | 入居者100名に対して常勤1名 |
栄養士 | 1名以上 |
機能訓練指導員 | 1名以上。当該特養の他職種との兼務が可能 |
介護支援専門員 | 入居者100名に対して1名 原則専従だが、当該特養他職種との兼務が可能 |
老健
老健は他の施設形態よりも看護師が多く配置されています。
また医師をはじめ他の医療職の配置も義務づけられており、職員にとっても入居者・家族にさんにとっても安心できる体制です。
ただし「在宅復帰を目標とする」施設なので、安心できる場ですが長期間の入居はできません。
老健の職種 | 入居者100人あたりの配置 | 配置基準 |
---|---|---|
医師 | 1人 | 常勤1人以上 (入所者100人に対して1人以上) |
看護師 | 9人 | 入所者3人に対して、看護職員または介護職員1人以上 (そのうち看護職員の割合は2/7程度) |
介護士 | 25人 | 入所者3人に対して、看護職員または介護職員1人以上 (そのうち看護職員の割合は2/7程度) |
支援相談員(SW) | 1人 | 1人以上(入所者100人に対して1人以上) |
理学療法士・作業療法士 ・言語聴覚士 | 1人 | 入所者100人に対して1人以上 |
栄養士・管理栄養士 | 1人 | 入所者の定員が100人以上の場合、1人以上 |
介護支援専門員 (ケアマネ) | 1人 | 1人以上 (入所者100人対に対して1人を標準とする) |
薬剤師 | 0~1人 | 実情に応じた適当数 (入所者300人に対して1人を標準とする) |
調理員・事務員その他 | 実情に応じる | 実情に応じた適当数 |
有料老人ホーム
看護師が仕事をするのは「介護付き有料老人ホーム」が多いため、こちらのの人員配置基準を示します。
介護付き有料老人ホームでは入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、 下記の職員を配置することが定められています。
有料老人ホーム職種 | 詳細や条件 |
---|---|
施設長などの管理者 | 施設経営の責任者。高齢者の介護について知識、経験を有する者を配置することが条件。 |
生活相談員 | 入居者や家族から生活上の相談を受けたり、行政的な手続きを行う。常勤で1人以上の配置が義務付けられている。 |
栄養士(管理栄養士) | 入居者の健康を維持する献立を考えたり、食材の選定や管理を行う。 |
調理員 | 献立表に基づき、食事の調理を行います。 |
介護職員及び看護師などの介護従事者 | 入居者の身体介護及び看護を行う。要介護者3人に対して1人以上の配置が義務付けられてる。(要支援者に対しては10人に対して1人以上) |
看護師 | 入居者30人迄は、1人以上(常勤換算)入居者50人増すごとに1人追加 |
機能訓練指導員 | 理学療法士、作業療法士、言語療法士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者が機能訓練指導員となり、個々の状態に合ったリハビリテーションを行う。各施設1人以上の配置が義務付けられている。 |
ケアマネジャー(介護支援専門員) | 入居者の目標に沿ったケアプラン(介護サービス計画)を立案する。1人以上の配置が義務付けられている。 |
有料老人ホームは事業規模やサービス内容がまちまちなので、人員配置数も施設ごとにかなり差があります。表の太字表記の部分にあるように、看護師の配置は介護士さんと合わせて定められています。
つまり、「施設ごとに看護師と介護士さんの配置割合を決められる」ということです。
看護師の配置数が多い施設を選ぶと、休みが取りやすいなどのメリットがありますね。
夜勤やオンコール業務、手当についての違い|施設看護師
介護施設では、厚労省による夜間の看護師配置は義務付けられていません。
しかし施設形態ごとにおおよその傾向があります。
- 夜勤がある施設
- オンコール対応の施設
- 夜勤もオンコールもない施設
例外も多々あるので、転職する際は必ず「その施設がどうか」を確認して下さいね。
twitterアンケート|施設看護師の夜間体制
私のtwitterアカウントにて「施設看護師の夜間体制」についてアンケートを実施しました。
ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。
日本全国の施設看護師さんにアンケートしたワケではないですが、ある程度の傾向が見えますね。
オンコールが中心、夜勤が中心という特徴がありますが、
その職場ならではの勤務形態を確認するのが大事ですね!
特養
夜勤はなく、オンコール当番制が多い
特養では看護師の配置数そのものが少なく、夜勤をしない施設がほとんどです。
そのため、日勤だけで正社員をしたい人にはおすすめです。
ただし多くの施設で夜間はオンコール対応をしています。
転職したい施設がある場合は「その施設のオンコール体制はどのようなものか」を確認して下さいね。
オンコール当番の仕事内容
オンコール当番の日は、電話連絡に対応できるように過ごします。
医療的な判断を仰ぐため介護士さんから電話連絡が入ります。
オンコールの条件は、施設によってかなりまちまちです。
その職場ならではのオンコールの規則を確認しましょう!
- オンコール当番は5〜10回/月
- 1回の手当は1000〜1500円程度
- 基本給にオンコール手当が含まれている場合も
- 出勤し実働があった場合、追加手当2000円程度
- 夜間に看護師が出勤する施設、しない施設がある
- 救急搬送を行う場合に介護士または看護師が付き添う
夜間オンコール当番の回数、手当、実働の有無
オンコール当番の負担や手当で、生活パターンや収入に大きな影響が出ます。
ぜひしっかり確認して下さい。
- 月ごとの当番は何回か
- 具体的な手当の金額(基本給に含まれているか、など)
- 電話対応だけでなく実働があるか
- 実働があった場合、手当の金額
老健
夜勤の体制
老健では多くの施設で看護師の夜勤があります。夜勤看護師は基本的に1名。
看護師の夜間配置義務はありませんが、基本的に正社員看護師は夜勤をします。
夜勤の業務
看護師の夜勤業務は、経管栄養や注入、配薬などです。
各ユニットに介護士さんが1人づつ配置されており、介護士のさんの仮眠時に入居者さんの見守りを行う施設が多いです。
夜勤手当て
施設によって7,500〜12,500円と幅があります。
基本給や資格手当てでもかなり収入が変わってくるので、要チェックです。
有料老人ホーム
有料老人ホームは他の施設形態と同様に、夜間の看護師の配置義務はありません。
民間施設であるため、看護師の夜勤やオンコールについては千差万別、各々の施設ごとのルールで運営されています。
それゆえ、看護師の夜間の体制は「夜勤をする場合が多い」などの明確なデータを見つけられませんでした。
独自ルールが多いとはいえ、私が調査した範囲でわかったこともあります。説明しますね。
夜勤手当
いわゆる「高級老人ホーム」とされている施設では入居費・サービス料が高く、看護師が夜勤をするのが通常です。
特に「高級」とされている施設では看護師の夜勤は2人体制が多いです。
病院より負担が軽いの業務です。
コスパのいい手当てですね♬
夜勤の仕事内容
有料老人ホームでは入居者層が施設によってかなり違っています。
そのため、夜勤業務もかなりまちまちです。
- 経管栄養や吸引、持続点滴
- 急変時の対応と介護士さんのサポート
- 配薬や食介
「退屈なぐらいじっとしている」「療養病棟みたいな仕事」なんてふうに、いろんな意見をききます。
私の職場はこの中間ぐらいかな?
オンコールについて
有料老人ホームではオンコール体制を取る施設は少なく、残念ながら一般的なデータがありません。
少数派ですが、夜勤もオンコールもない施設もありますので、「日勤だけの仕事」を探している方は要チェックです。
※夜間の医療的判断は施設長など管理職が行う
(仕事内容や手当てなどは特養の項目をご覧ください)
オンコールに関しては、各施設ごとの独自のルールで運営されていることが多いです。
転職の際はしっかり情報収集して下さいね。QOLを大きく左右しますよ!
急変時対応の違い|「その施設がどうか」
どの施設形態でも共通しているのは「看護師が医療的判断をする場面が多い」こと。
日中に医師がいるかいないか、土日夜間に電話相談をしやすいか、などの条件で看護師の負担が変わってきます。
同僚たちに、「これまで働いてきた施設での夜間急変時の対応」について質問してみました。
日本全国の傾向がわかるワケではありませんが、現場のリアルなデータです。
参考にして貰えれば♪
施設形態 | 夜間休日 | 急変時の判断 | 受診時の付き添い |
---|---|---|---|
有料老人ホーム① | 看護師:複数 | 看護師OR医師へ報告 | 看護師 |
有料老人ホーム② | 看護師:1名 | 看護師OR医師へ報告 | 看護師 |
有料老人ホーム③ | 看護師:不在 | 介護士→ 施設管理者(必要時、 オンコール看護師) | 介護士 (看護師は出勤しない) |
特養① | 看護師:不在 | オンコール看護師 ※電話対応のみ | 介護士 |
特養② | 看護師:不在 | オンコール看護師 ※必要時出勤 | 看護師 |
特養③ | 看護師:不在 | 介護士 | 介護士 |
老健① | 看護師:不在 | 介護士 | 介護士 |
老健② | 看護師:1名 | 看護師 | 介護士 |
グループホーム① | 看護師:不在 | 介護士 | 介護士 |
グループホーム② | 看護師:1名 | 看護師 | 施設長 |
特養
特養では医師が常駐しないため、急変時の判断は基本的に看護師が行います。
- 日中:受診先への連絡も看護師が行い、受け入れできる病院を探す
- 夜間:急を要するとの判断のもと、救急搬送となる
- 施設ごとに受診の付き添いをする職種が違う
大事な判断や付き添い。
看護師がしたり、介護士がしたり、施設長がしたり、
ほんと、職場がごとに違うんです。
老健
老健では平日の日中は医師が常駐しているため、その時間帯の医療的判断は医師の指示を仰ぎます。
- 受診先への連絡は基本的には医師が行う
- 土日・夜間の体制:医師へ報告するかどうかは施設によってルールあり
(勤務時間外も熱心な医師であれば、ほとんどの判断は医師が行うことになる) - 施設ごとに受診の付き添いをする職種が違う
看護師がしたり、介護士さんがしたり、ケアマネがしたり…
有料老人ホーム
有料老人ホームの急変時対応は、併設のクリニックの有無によりかなり左右されます。
併設クリニックを併設するのは、いわゆる「高級老人ホーム」と呼ばれる施設が多いです。
夜間や急変時の手厚さは、サービス料金に比例している傾向です
併設クリニックがない場合
特養と同じように、看護師が判断と対応をすることが多いです。
看護師が夜勤もオンコール対応もしない施設では、夜間の急変時判断や搬送は施設長などの管理職が行う施設もあるようです。
併設クリニックがある場合
老健と同じように、医師の指示を仰いで対応します。夜間・休日に関しては、医師と施設とのルール決めで体制が決まります。
働きやすさ・向いている人の違い|施設看護師
施設看護師の「働きやすさ」「向いている人」はざっくりとした内容は共通しています。
しかし施設形態や勤務形態の違いなどから、働きやすさ・向いている人の違いがあるので説明します。
でもね、その職場に必要なことが分かってくれば、もう「向いてる」と思います。
つまり、慣れればできる♪
共通している働きやすさ・向いている人
- 高齢者とのコミュニケーションが好き
- 落ち着いて仕事ができる
- 中長期的な看護にじっくり取り組める
- 多職種と協力し合える
私は「勤務形態や業務内容、雇用条件が許容範囲なら向いている」と思ってます。
施設形態よりも大事なことかも。
こうやって前知識があると、現場に馴染みやすいですよ。
特養
- 介護士さんの配置数が多く、看護師が介護業務を行うことは稀。
体力に自信がない、腰痛があるなどの方にもおすすめ - 基本的には夜勤がなく、ワークライフバランスを重視する人に向いている
- 医師の常駐がなく、看護師の配置数も少ないため、看護師1人で医療的判断を行うことがある。
看護師1人でも頑張れる人に向いている
老健
- 医師の常駐があり、看護師を含む他の医療者の配置が比較的多い。
そのため他の医療者と相談しながら判断していきたい人におすすめ - 介護士さんの配置数がやや少ないので、看護師が介護業務を担う場面がある。
体力に自信がない人、腰痛がある人には不向き - 在宅復帰を目指す過程での多職種連携が多い。
連携の中心となるコミュニケーション力がある人に向いている
有料老人ホーム
有料老人ホームでは、各々の施設ごとに入居者層も提供するサービスもさまざまです。
「向いているかどうか」はその施設ならではの状況によって左右されます。
その有料老人ホームはどんな条件?
自分のライフスタイルに合う職場なのか確認しましょう
- 医師が常駐しているのか、往診のみなのか
- 看護師の配置数が多いか少ないか
- 看護師の夜勤があるか
- 夜間オンコール対応なら、どのような条件か
- 看護師も介護業務を行うのか
特有の事情
有料老人ホームの場合、大手法人系列ならば雇用条件や福利厚生が整備されている施設に出会えます。
私の職場もまさにそう。ただし就業規則がこと細かく定められていたり、ラダー制度や研究もあるなど、しがらみも多いかな…。
そして「高級老人ホーム」とされている施設であれば、入居者さんを「お客様」として対応する礼儀正しい接遇が求められます。
施設看護の悩みについてくわしく解説 ※サイト内の別記事にリンクします
メリット・デメリットの違い|看護師が働くなら
施設看護師のメリット・デメリットはざっくりとした内容は共通しています。
しかし施設形態や勤務形態の違いなどから、メリット・デメリットの違いがあるので説明します。
共通しているメリット
- 病院のように慌ただしくない
- 緊迫した場面が少ない
- ルーティン業務が多く、時間外勤務が少ない
- ワークライフバランスが整いやすい
共通しているデメリット
- 医療処置が少なくスキルを維持しにくい
- 医療的判断を看護師が下すため責任が思い
- 看護師が少なく人間関係が固定的
- 介護士さんとの関係性に悩む
- 病院より看護師が少ないため、勤務変更がやや多い
施設形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
特養 | ・日勤のみで正社員が可能 ・介護と業務分担されている ・状態が安定した入居者が多い | ・オンコール制度 ・医療的判断を行う責任 ・看護師が少ない |
老健 | ・医師が常駐し判断を仰げる ・医療者の配置が多い ・回復に向けての看護ができる | ・多職種連携のストレス ・介護業務の負担 ・夜勤がある |
有料老人ホーム ※施設ごとに特徴あり | ・夜勤もオンコールもしない施設も ・大手法人系列なら雇用条件が良い傾向 ・長期間の入居者が多く、過程を追える | ・入居者を「お客様」として扱う場面も ・細かいルールがあり、煩わしい場合も ・苦手な入居者でも長く関わる必要性 |
施設形態 | メリット | デメリット |
もちろん例外もありますが、ざっくりと説明するなら以下の通り。
特養
- 日勤のみ、オンコールあり
- 看護師が少なく1人の責任が重い
- 看護、介護業務が分かれている
老健
- 医師をはじめ医療者が多く安心
- 体力仕事あり(身体介助も担う)
- 夜勤あり
有料老人ホーム
有料老人ホームは、施設ごとにかなり業務内容が違います。
※民間施設なので様々なサービスを提供できるからです。
- 勤務形態はさまざま
- 大手が運営なら雇用条件が良い傾向
- 長期に渡る入居者が多い(良くも悪くもなる)
施設看護師の仕事【メリット・デメリットを解説】 ※サイト内の別記事にリンク
まとめ|どの施設がいい?転職先を選ぶポイント
介護施設への転職で一番のNGは、「どこの同じような感じでしょ」「病院よりラクだって聞くし楽勝でしょ」と決めつけてしまうことです。
正直言って、私は病院勤務よりかなりラクになったしQOLも上がりました。
でも決めつけで転職してたら「こんなハズじゃなかった」と後悔したかも知れません。
施設への転職を考えるなら、「介護施設の業務内容」「雇用条件」をざっくりと理解しておくことが大切です。
転職先を選ぶポイント
- 勤務形態や業務内容がライフスタイルに合っているか
- 業務内容と雇用条件のバランス(給与・休日など)
- 細かいことまで情報収集して職場を選ぶ
施設看護師の仕事内容とやりがいをくわしく解説 ※サイト内の別記事へリンク
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